今更聞けないベースの基本パーツ(ネック編)
エレキベースレッスンやエレキギターレッスンやは細かいパーツ部分の知識も身につくように授業を行っていきます。ベースとギターでは各部位の形状が少し異なっている場合があります。基本的な知識は後回しにするほど更に聞きづらくなってしまうため、ベース教室やギター教室で早いうちからしっかり学んでおきましょう。
ネック・スケール・ジョイント
ネックとはヘッドとボディの間の細長い部分のことを指します。細長いため、壊れないように強度と安定性が求められるパーツ部分でもあります。強度と安定性から素材はメイプルという木材が使用されているのが基本です。メイプルよりも堅い黒鉛のグラファイトをネックに使用しているメーカーもありますが、加工と調整が難しい故にショップではあまり見かけません。ネックの長さのことをスケールと呼び、ベースはナットからブリッジまでが約864mmのロングスケールが使用されています。ベースはギターよりスケールが長いことが基本ですが、これは弦が太い分ネックを長く取ることで音程と鳴りを安定させるためです。ミディアムやショートなどのネックもありますが、弦の長さもそれに合わせて短くなり、音の伸びが少し悪くなります。ただし、ミディアムやショートネックのベースは小柄な人や手の小さい人に向いているため、ベースに触れてみたいけど大きくて困っている人は短いタイプのベースから始めてみましょう。ネック周辺の名称ではジョイントと呼ばれる部分もあります。ネックとボディの接続部分で、接続方法にいくつか種類があり、この種類によって音の伸びが変わってきます。種類は、ボディの裏からビスでネックを留めているデタッチャブルタイプ、ボディにネックを接着させているセットネックタイプ、ボディエンドまで貫いているネックの両側からボディを接着させているスルーネックタイプの3つです。スルーネックが一番音の伸びが長くなりますが、一般的な接続方法はデタッチャブルであり、この方法が一番コストとメンテナンス性が優れているので初心者にはデタッチャブルがオススメです。
ナット・フィンガーボード・ポジションマーク
ナットとは、ネックのヘッド側の先端に付けられている弦を乗せる棒のことを指します。ただ乗せているだけのように見えますが、このパーツがベースでは音の調節に欠かせない重要な部分になります。削られた溝に弦を乗せるため、削り方によってはうまく弦が乗らずに滑ることがあります。気持ちよく弾くためには、ナットにしっかり弦が乗っていることが重要です。ナットに使用される素材は牛骨、金属のブラス、カーボン、プラスチックの4種類です。ブレスとカーボンは硬いですがコストと加工がしづらいのが欠点です。カーボンに関しては硬いのに欠けやすいデメリットもあり、初心者にはあまり向いていません。プラスチックは安いですが欠けやすいため、コストや耐久性、調節のしやすさから牛骨を使用していることが一般的です。バランスがとても良いので初心者の方は牛骨を選ぶのが良いでしょう。ネックの表面に取り付けられた木の板のことをフィンガーボードと呼びます。指板とも表記され、弦を押さえた際に触れる部分でもあるため、材質によって手触りや音質が変わってきます。主にメイプルやローズ、エボニーの木材が使用され、音質や手触りだけでなく、見た目にも違いを出せる部分となります。ただし、ローズに関しては輸入規制がかかったため、数が減っている可能性があります。フィンガーボード上に埋め込まれているのがポジションマークです。弦を押さえる場所の目印であり、丸いものをドットインレイ、四角いものをブロックインレイと呼びます。フィンガーボードの横にも取り付けられており、のぞき込まなくてもサイドから弦の位置がわかるようになっています。横に取り付けられているものはサイドポジションマークと呼びます。
フレット・トラスロッド
ネックを半音階ごとに区切っている金属のことをフレットと呼びます。ネックのフィンガーボード上に埋め込まれており、この金属に弦を押さえつけることで異なる音を出すことができます。使用される金属は一般的にニッケルシルバーですが、ステンレスやブラスもあり、材質によっても弾き心地が変わってきます。太さや高さ、形状によっても音や演奏性に影響が出る部分であるため、自分の好みで変えていきましょう。フレットがないフレットレスベースもあり、暖かみのあるサウンドになるのが特徴です。ネックの中に内蔵されている金属の棒をトラスロッドと呼びます。トラスロッドはネックが反った場合でも、回すことで調整できるように取り付けられており、取り付けられている場所はネックの付け根やヘッド側など様々です。ネックは弓なりに反る順反りとベースの背面側に反る逆反りがあり、基本的に順反りの場合は時計回り、逆反りの場合は反時計回りに回して調整します。ネックとボディの接続方法やメーカーによってトラスロッドの場所や形状が異なりますが、回す方向はみんな同じと覚えておきましょう。