支える縁の下の力持ちタイプ、メロディアスなラインの花形タイプ

目立たない、地味な楽器。というイメージを持たれがちなベースという立ち位置。

 

ルート音をひたすらダウンピッキングで弾く姿でカリスマ性を持つベーシストはごくわずかです。

 

かつては、寡黙にドラムと共にアンサンブルやグルーブを支え、いかに後ろで踏ん張るかが勝負でしたが、近年の音楽シーンでは、スライドなどを多用しうねらせ、ギターよりもメロディアスに音を動かし、スラップでよりプレイを目立たせ、ボーカルやギターよりも目立つ花形ベーシストが見られるようになりました。

 

この両者で意見が分かれることがよくあります。

 

縁の下支持タイプを求めるのは主にバンドのボーカル・ギターなどのフロントマンたちの意見。リズム隊もたまには前に出たい!というのはベース、ドラム側の意見でしょう。

 

花形ベーシストタイプも、「自分だけが目立てば他の楽器はどうでもいい」というプレイをしなければ問題はなく、むしろそのプレイがバンドのスタイルとして効果的な場合もあります。

 

その時代その時代に合った楽曲を模索していくのもアーティストとしての仕事です。

 

フロントマン、リズム隊、両者のやり取りによってアンサンブルの「色と味」が出てくるのであれば一番良いと思いますが、人間同士でバンドをやっている以上必ずぶつかることはあります。

 

音と同じようにぶつかっているだけだとお互いの良い部分をつぶしあってしまいますから、各楽器で一番ちょうど良い部分を探すことが大切です。

 

ベースは上手いが性格の悪い、俺様主義の我ままベーシストと、ある程度弾けて、全員のことを親身に考えるベーシストとどちらを取るかと言われれば、後者を取る方が多いのではないでしょうか。

ストレスを溜めない、お互いが言い合えるメンバーとならどんな困難も乗り越えていけるはずです。