トラストロッドの種類とトラストロッドによるネックの調整方法

ベースのネック部分に入っている金属製の棒である「トラスロッド」。ネックの反り具合の調整などのために使われているパーツですが、実は知れば知るほど、奥が深いパーツとも言われているのです。今回は、ベースのネックが反ってしまった時に調整が必要となるトラスロッドについて、その種類や調整方法などを見ていきましょう。

 

トラスロッドの種類

トラスロッドとは、ベースのネック部分に仕込まれている金属の棒のことです。ベースの音にも大きく影響を与えるパーツなので、トラスロッドの種類や調整方法を知っておくのは、ベースを弾く心得のひとつとも言えます。トラスロッドの種類は、大きく分けて、1WAYタイプと2WAYタイプの2種類。1WAYタイプでは、原始的な構造のシングルアクションやチャンネルロッド、2WAYタイプでは、ダブルアクションなどがあります。1WAYタイプは文字通り、一方向のみに対応しているロッドで、順反りを矯正させる役割を担っています。一方で、2WAYタイプは、順反りと逆反りの両方に対応できるロッドとなっており、1WAYタイプに逆反りを順反り方向に矯正させる役割がプラスされたものとなっています。

 

ネックの調整方法

調整する前にまずは、ネックの状態を確認してみましょう。確認方法としてはタッピング法というものがあり、チューニングしたベースの1フレットと最終フレットを押さえてみて、12フレットあたりを叩いた時に、ちょっとした隙間があれば理想的な状態です。実際に目視でネックの反りの状況をみてみましょう。確認後に反りの調整にはいります。ネックの反りには順反りと逆反りの2種類があり、順反りは時計まわりにトラスロッドのナットを締め、逆反りは半時計まわりにトラスロッドのナットを緩めるという調整方法が基本となります。トラスロッドを調整する時は、まず、弦を緩めてから、パイプレンチや六角レンチなどの工具を使い、ナットを回して調整します。ベースの癖がわからないうちやネックの調整方法に慣れないうちは、ナットを一度に回す角度を90度以下にとどめ、様子を見ながらゆっくりと調整していくように心がけましょう。また、ヘッド付近にレンチ穴があるタイプや、ネックを外して調整するものなどありますので、ご自身のベースのタイプを確認してください。

 

トラスロッドの調整の仕方を簡単にご紹介しました。ベースのメンテナンスに慣れないうちは、トラスロッドの種類や仕組みに戸惑うこともあるかもしれませんが、コツを掴んでしまえば安心。そのうちに、「この反り具合ならここをこうすれば大丈夫」という調整方法が感覚でわかるようになってくるかと思います。しかし、ネックの調整は経験と知識、覚悟が必要な精密な作業でもあります。自信のない方は楽器屋さんやリペア工房に持ち込んで相談するようにしましょう。